「オーケストラ!」映画のあらすじは?フランス語の先生イチオシの理由

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「オーケストラ!」映画のあらすじは?フランス語の先生イチオシの理由についてお話しします。

フランスにいた時、大学で「cinéma(映画)」という授業がありました。
そのシネマの最後の授業で、先生が「絶対に見て欲しい映画を書いておく!」と、ホワイトボードにタイトルを20個ほど書いてくれました。

1行目がこの「オーケストラ!」で、いつか必ず見たいと思っていました。

ただ、笑っていられるだけの映画かと思っていたら、何度見てもラストシーンは涙が流れ過ぎて、エンドロールが始まっても涙が止まりません!
ハッピーエンドが少ないフランス映画の中でもとってもコメディタッチで気楽に見られる映画なので、フランス映画初心者の方にもおすすめです!

それでは早速、オーケストラ!映画のあらすじとフランス語の先生イチオシの理由についてお話しさせてくださいね~♪

もくじ

「オーケストラ!」映画のあらすじ

最初の舞台はロシア。
30年前にポリジョイオーケストラの指揮者だったアンドレイは、現在はポリジョイオーケストラで清掃員として働いている。
ある日、パリからポリジョイオーケストラに出演依頼が来ているFAXを見つけ、30年前の仲間たちに声をかけ、ニセモノのオーケストラを作る。

そして、次の舞台はパリのシャトレ座。ソリストはパリで売れっ子のアンヌ=マリー・ジャケ。
曲はアンドレイが30年前の舞台で途中で止められ、指揮者を辞めさせられた、チャイコフスキーの「バイオリン協奏曲」…。
アンドレイは30年前にステージを途中でやめさせた、フランス語が話せるコンサートマスターにパリのシャトレ座との交渉を頼み込む。
あちこちの知り合いに頼み込み、ニセモノのオーケストラの人数を増やし、スポンサーを探す。
そしてさらに、ニセモノのパスポートを造り、ニセモノの楽団員といざパリへ…。

オッチャンたちが夢をつかむサクセスストーリーかと思いきや、自分たちではどうすることもできなかった、30年前の悲しい過去があったのだった…。

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「オーケストラ!」フランス語の先生イチオシの理由

早速のネタバレありの感想ですが、めちゃめちゃ泣きました!
あらすじにも書きましたが、最初はよくある「オッサンたちの夢をかなえるストーリー」なのだと思って見始めたのです。
ところが、そこにはロシアが抱える歴史的な背景がそこにはありました。

ロシアを近く感じられるように…

日本人はビザがないと入れないので、少し遠く感じるロシア。
あまり見ることがないモスクワの景色や暮らしなど、見どころがいっぱいです。

そして、ロシア人の俳優さんが話すフランス語!とても意識して役作りされているのが垣間見えて、親近感が湧きます!
大学で一緒だった、ロシア人クラスメイトが授業を崩壊させるほどしゃべりまくっていた姿を、鮮明に思い出しました…(笑)
劇中、何度か「ユダヤ人だから」というセリフがあるのですが、「そんな感じやったわ~」と思わず笑ってしまいました。
授業をムチャクチャしたクセに、後腐れなく「よ~し!次の授業、行こうぜ~!」みたいな…。
劇中でもみんな楽しそうな雰囲気が出ていて、見ているだけで笑顔になりました。

全員でソリストを支える空気感

ソリストはパリで売れっ子のアンヌ=マリー・ジャケ。指名したのはもちろん、ニセ指揮者のアンドレイでした。
コンサートの前夜、アンヌ=マリーとアンドレイはふたりで夕食へ…。

そして「私は両親が誰か知らない」と話し出すアンヌ=マリー。
「詳しいことは何も話さない」とアンヌ=マリーのマネージャー、ギレーヌと約束していたアンドレイは、絶っていたアルコールを飲んでしまいます。

「コンサートでは病気は治らない」と出演辞退しようとしたアンヌ=マリーにチェリストのサーシャが言うのです。
「コンサートを終えると両親がわかるかも知れない」と…。
そして、ギレーヌがレアから預かったというチャイコフスキーのバイオリン協奏曲の楽譜を渡されたアンヌ=マリーは、アンドレイの指揮でバラバラのニセオーケストラを見事にまとめ、成功に導きます。

悲しい歴史のもとに強くつながる仲間たち

ユダヤ人が国から追放されることを知り、当時のソリストだったレアと夫のイクハツをかばったがために、ポリジョイオーケストラの指揮者を降ろされたアンドレイ。
国が歩んできた悲しい歴史のもとで、30年間もの間、音楽でつながれていた仲間たちの愛を感じます。

リハーサルも出ずに、本番直前まで行方不明だったニセモノの楽団員たち…。

「レアのために戻れ」たったその1通のSMSで全員が戻ってオーケストラに挑むのです。

政府の悪口をマスコミに言ってしまったがために、シベリアへ連行されてしまったレアとその夫イツハクには生後6か月の娘がいました。
ユダヤ人の娘だと知られたらどうなるかわからないと、隣人のギレーヌにお願いして、パリに連れて行ってもらったのです。

ユダヤ人が背負っている悲しみが癒えるために。そして、シベリアで亡くなってしまったレアとイツハクの悲しみを無駄にしないために、全員でひとつのステージを作り上げるのです。

今だからこそ、見て欲しい

私自身、6歳の子どもの母親として、アンヌ=マリーがお母さんを知らずに成長し、ステージでお母さんのレアと同じようにバイオリン協奏曲を弾く姿が悲しすぎて…。
マネージャーのギレーヌが母親代わりになって、アンヌ=マリーにバイオリンを習わせた辛さ、我が子の成長する姿を見ることができなかったレアの辛さを思うと、アンヌ=マリーを思いっきり抱きしめたいと思わずにはいられませんでした。
そんな愛おしい彼女が、メチャメチャなニセモノオーケストラを率いて素晴らしい音楽を作り上げる姿に涙が止まらず…。

そう!私は完全に指揮者のアンドレアとチェリストのサーシャの気持ちになって、アンヌ=マリーを見ていたのだと思います。

今、新型コロナウイルスの影響で、長期間に及ぶ外出自粛や減らない感染者数など、本当に疲れています。
目標がない生活が本当に辛くて、朝、起きると「もう逃げ出したい!」と思ってしまうようなニュースがスマホに飛び込んでくる日々です。

でも、この生活にひとつだけ目標を挙げるのだとすれば、「『二度と取り戻せない悲しみ』を増やしてはいけない」のです。

生きていたら、悲しみはいつか取り戻せる時が来るのだと思います。

今、いちばん大切な目標を達成するために、この生活を続けることが、「今」を必死で生きていることなのだと「オーケストラ!」に教えてもらった気がしました。

最初はちょっとおもしろいオッチャンたちのシーンが多いですが、ラストは涙が止まりません!ぜひ!ご覧ください!

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